受胎告知
Hans Memling Netherlandish
メムリンクは、この《受胎告知》でロジェ・ファン・デル・ヴァイデンの《聖コロンバヌスの祭壇画》の左扉(現在はミュンヘンに所在)を基にしましたが、彼の斬新な解釈ではひざまづく聖母の代わりに気を失った聖母をふたりの天使が支えています。他の15世紀のフランドル派の画家同様、メムリンクは宗教的な主題を、日常生活の場面に置き換えて作品を描きました。ユリの花は聖母の純潔を表し、ろうそくのない燭台は、この世の光であるキリストを生む聖母の差し迫った役割を象徴しています。 天使ガブリエルが着ている司祭の装束はミサの儀式を示唆しており、その延長としてキリストの顕現を表しています。聖霊を象徴すハトが聖書の預言通り顕現が実現したことを知らせ、聖母は左手で聖書を指しています。
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