エウティケスのミイラ肖像画
Roman Period
何世紀にもわたり外国の支配を受け、広い地域に外国人が定住したエジプト社会は、2世紀までには完全に多文化社会となっていました。この信頼しきった悲しい瞳をした身なりの整った青年の肖像画には、「カサニオスの自由民エウティケス—エヴァンドロスのヘラクレイデスの息子(またはエヴァンドロスの息子ヘラクレイデス)、自署」と記されています。青年は、カサニオスによって奴隷から開放されながらも若くして亡くなったようです。名前が記されている他のふたりのうちのひとりは、この肖像画の制作を依頼したか、代金を払った人物である可能性があります。ギリシャ様式で描かれたこの肖像画は、それまで何千年にもわたって使われていた面具に代わり、ミイラの包帯のなかに入れられ、青年の頭部を覆ったものと思われます。
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