白旗
Jasper Johns American
《白旗》はジョーンズによる旗を主題とする作品のなかで最も大型のものであり、旗が単色で描かれた最初の作品です。溶剤にすばやく硬化するエンコスティックを使う手法(ろう画法)により、ひとつひとつの筆の運びがくっきりと浮かび上がり、一方で48個の星がある旗のデザインが変化に富んだ表面を作り出しています。この作品は、星がある部分、星の右側の7本の縞がある部分、そしてその下の6本の長い縞の部分という、3つのパネルから構成されています。星、その周りの空間と縞は、溶かした蜜ろうに浸した紙と布地で盛り上げられています。ジョーンズはモチーフとして旗を最も頻繁に描いていますが、これは自分がアメリカ国旗を描くところを夢で見たことがきっかけだったと語っています。標的、数字、アルファベットというジョーンズの他の初期のモチーフ同様、彼にとって、旗は新たに考案する必要のない既存のモチーフだったことが魅力でした。1955年以降、ジョーンズはさまざまなスケールや色彩、媒体で何十点もの旗の作品を制作しています。
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